Nadja の日記
2012-07-10 00:43:43  裕福な日本の終焉

このところ感じている違和感があるのだけど、それは世間が正義や秩序などの名のもとに悪事を叩く態度と、日頃自身が抱えている不満を訴える態度とか混ざってしまって、何でも見境なく前者に関連付けて不平を言う風潮というのがあるんじゃないかということ。

日頃の不満というのは、政治や企業(或いは自身)の努力不足に起因するものもあるわけだけど、それ以外の避けようのない問題、例えば、燃料価格の高騰による電気料金の値上げであるとか、少子高齢化、生産人口減少による税収減の為の1人にかかる税収負担増であるとか、そうしたことに対応する施策なり政策に対して、理不尽だ、権力の横暴だ、もっと上手くやれるはずだとまくし立てるわけですね。

電気代に関して言えば、震災で原発問題が表面化して、その問題が解決を見るまでは多くの原発停止を余儀なくされている現実があるのであって、その場合は火力発電が代わって主電源とならざるを得なくなる。火力発電の燃料は言うまでもなく石油であり天然ガスなのであり、これらの燃料は日本で生産できないので全て輸入に頼っている。そしてその燃料代はここ最近で暴騰しているわけです。これは自動車の燃料であるガソリン代を見ても分かる事実で、ほんの数年前まで1リットル100円を切る価格だったレギュラーガソリンが今では140-150円というあたりをつけてます。ガソリンというのは石油から精製される燃料で、これは火力発電の燃料も同様なわけです。原発が止まって火力が動き出せば、電気代は当然上がります。

ところが世間(の一部の人?)は、原発運用の杜撰さ(これは事実ですが)と電力会社の運用のまずさを責めるついでに、電気代の上昇に関しても文句言ってる。その言い分は確かにうなずける部分もあり、もっと合理化できる事業や経費もあるのは確かではあるけど、それだけで燃料代の差分を埋められるものではないでしょう。

あと、消費税の増税に関しても、当然納税者の負担が増すわけだから文句はあがるでしょうけど、問題は、消費税を上げなかった場合に日本の財政がどうなるかということについて考えた上で文句いっているのかどうかという点。増税でなかったとしたら、今後どうやって財政を切り回すのか。

ちなみに、私個人は増税には反対ですが、それは仕方がないとも思っている。増税でなければ、今後主な出費増となっていくであろう社会保険や福祉方面を削っていくしかないと思っていて、それは今の後期高齢者医療制度だとか、年金だとか、そうしたものをさらに厳しく簡素化していくしかない。つまり、国や自治体による個人の保護を極力削っていく方向ですね。そうすれば歳出は減らしていけるけど、そんなことをすると世論の大反発を買うのは必至であり、国民の選挙で職を得ている政治家がそんなことをできるはずがないわけですね。となると、なるべく現状制度を維持しつつ国も破綻しないようにやりくりするには、急激な生活レベルダウンをしない程度のじわじわ増税あたりが無難な選択肢になってくると。

ぶっちゃけ、年金制度くらいは廃止しちゃって良いと思うんですがね。廃止して、とりあえず納税者にはこれまで支払った元本を返還する。一括返還が無理なら、今後分割でも良い。そうなれば、老後の備えということに関しては完全に自己責任です。納税してない人は保護もしない。或いは、死なない程度の最低限の支援にとどめるとかね。

とにかく、今までの生活レベルが当たり前だと思ってる人たちは、もうそれがいつ終わってもおかしくない幻想のようなものだと気付いて欲しいということです。国が1000兆円借金してるということは、国民1人あたり7、800万円程度の借金をしてるってことになるわけで、そんなに国や自治体に世話してもらってねーよというなら、例えば普段歩いてるその道も国や自治体がつくって管理しているものだと認識しましょうということ。

国の財政がまわらなくなると、公共のインフラ管理も今以上にダメになるわけで、さらに破綻ともなれば、国からの保護や支援も全く期待できなくなるどころか、増税どころの騒ぎじゃなくなるということも見据えておきたいところ。

まぁ、最近の政治もインフラ系の企業もトップがあまり賢いとはいえないので、彼らのやり方が必ずしも妥当であるとはいえないわけですが、そこを改善することと、厳然として存在する社会問題とはまた別の話だという切り分けができてないと、正しい意見をいっているようで実はただの駄々っ子になっているということも往々にしてあるんじゃないかということを認識しておきたいですねってお話。


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