Nadja の日記
2012-05-24 23:26:50  芸能人のギャラが高いのは何故か

芸能人、つまり、人前で何か芸を披露するという仕事をする人の給料の源泉であるギャラ(報酬)は、1回あたり世の中一般的な会社員とか公務員とかそういう人達のそれよりもかなり高額な相場設定になっている。特に大したことをしているわけでもなさそうな落ち目芸人でさえ、テレビに出演すればサラリーマンの1ヶ月分の給料程度(か、それ以上)は貰っているようだ。

これはいわゆる芸能人、テレビタレントに限らず、絵画や音楽、文学など、いわゆる芸術関係の仕事全般にいえることで、絵も画廊などに展示されているものの値札を見ると、大体数万円から数十万円などと一見ボッタクリと思えるような価格。地道に堅実にサラリーを稼いでいる人の目から見ればその値段は異質でしかない。

それでも、この風習というか常習というか、おそらくはその界隈における常識は世界的にずっと昔からのもので、こうした仕事で身を立てている人にしてみれば、その芸が売れなければ一文も収入がないため、1回あたりの実入りをある程度大きくしておかないとその後の生計が保証できないからだと考えられる。

芸能を売って生きている人というのは、その売り物が売れるか売れないかは世情に大きく左右される。必ず生活に必要な、或いは社会一般的なインフラや商品を売って稼いでいる会社なり役所は収入が比較的安定しているのであり、その稼ぎはわりと長期的に見通せる。そのため、商品1つあたり、サービス1回あたりの価格は低く抑えても、その後連続して同様の売上が期待していけるわけだ。その点、芸能の場合は次があるかどうかすらわからないわけで、一度訪れたそのチャンスを安く売るということはなかなかできないという心理になる。

これが長年かけて常態化、芸能は高額であるという了解事項となり、いわばブランドになっている。

しかるに、今話題の某芸人の所属会社が、その仕事に安定した収入の保証がないことを理由に、本来は日々の生活が困難な人を救済するための“生活保護費”を受給するなどという事件が起こっている。あえてその収入が保証されない仕事を選んだのは本人だろうに、それが売れなかったら生活保護費を受け取るなどというのは暴挙でしかない。

某氏の場合、現在の年収は5000万円とかそれ以上ともいわれている。テレビにレギュラー出演する芸能人であれば一般的な収入だと思うが、仮にそれが今後ゼロになったとしても、普通に考えてその家族が生活に困ることはまずないだろう。何のためにそのように1回あたりのギャラが高いのかということである。

役所から支払われる生活保護費というのは、もともと税金。彼よりもずっと収入の低い納税者もいる、というより、彼より収入の良い納税者の方が稀だということを考えて欲しいということなんだよね。


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